いつもの場所
「みたいだよ~なおちんも運命の相手を見つけたみたいで本当によかった、嬉しいよ~」



と、あんなに自分を取り乱して好きになった男の割りにどこか客観的。ネムのこの言葉に妬みのような負の感情は微塵も感じられなかった。



普段から周りを凍りつかせる発言をする凛々子はさらに続いた。



「ふふふ、本当に吹っ切れたんだね」



「ふっきれたってゆうかぁ~、なんかお空になったみたいなの。」



ネムを除く3人の頭の中は「?」であったが、ちょっと天然な辛口ガールなんて周知の事実。



「要するに好きを越えたのね」と鼻で笑うように凛々子は二人に通訳するようだった。



「そうっ、そんな感じ!さすが凛々子は分かってる~!」と本気で関心しているちょっとおまぬけな彼女であったが、恋愛映画ものの半生を送ってきたことはいうまでもない。そう、それは忘れもしない6年前のお正月が明けた頃だった。
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