いつもの場所
5. 新たな恋



その後、和気あいあいと会話を楽しんだ後も誰一人「カラオケいこー」なんて言い出さないのはたった数年前より大人になった気がした。



帰宅してすぐネムからのメールが届いた。



「ねぇねぇ、今日一緒にいた凛々子の後輩の若林くん、彼女とかいないの?」



事を察した凛々子は落胆していたネムに少し光が見えたと思うことに嬉しくもあったが、あんなに付き合いの長かった直樹でさえたった数ヵ月の会わない時間が二人を遠ざけたと思うと少し寂しくもあった。



「確かいなかったような…聞いてみようか?」





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