いつもの場所
帰り道、とある公園に寄った。そこはなんだか停車している車が多くあって、駐車スペースは沢山あるものの一台毎の間隔が広くとられていた。



「ちょっとタバコ吸ってくる。」



そういって裕也は車を降りた。



やることもなかった絵里はスマホを見たり、回りを見渡したり、ちょっとそわそわしていた。



『へ~春日公園っていうんだ。』



その時、空になりかけたほうじ茶のペットボトルが目に入った。



辺りを見渡すと3台程連なった自販機をみつけるやいなや、何の躊躇いもなく彼の『いつものやつ』の一つ、ほうじ茶を買いにいった。



ちょうど車に戻ったとき、彼も同じタイミングで戻ってきた。



「これ、買っといたから。」



「ん。」



とそっけない返事すら二人の阿吽の呼吸のような気がして、彼と恋人であることに口角が上がった。



その時だった。



「裕也くん、地震っ!!」



と絵里は叫んだ。
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