いつもの場所
4. 母との関係
待ち遠しかったデートも明日に迫り、着ていく服ももう二日前に決めていた。
そうしたなかでも勉強は怠らなかった。
デート用の服を見るたびに違う服に変えようかと悩んでしまうので、この日は図書館へいくことにした。
そこは中学の頃から変わらない角の席を無事に確保して、あっという間に時間が過ぎた。
何時間も放置した携帯電話には15件もの着信があった。
『またか…』とため息が出た。
大学生になっても厳しかった母だった。
普段はすごく仲がいい母娘であったが、過保護な時は煩わしかった。少しでも連絡を返さないと、出るまで永遠と続く着信コール。
もちろん、男性とデートだなんて言えやしない。
明日のデートのためには、いつもの3人への協力要請が必要だ。
連絡が取れなくなった母は何度も友人である朱美やネム、凛々子に詮索の電話をしたことがあったからだ。
そうなればそわそわしてデートも楽しめなくなる。と、明日は4人で遊びに行くということにしてもらう必要があった。