いつもの場所
5. 少しの違和感



当日、眠い目をこすりながら2時間も遅れて裕也が迎えに来た。



絵里は約束の時間の1時間も前に準備完了していたのゆうのに、彼といったら昨晩夜更かしをしたのかすごく機嫌が悪い。



おはようの言葉もなく、コンビニによって『いつもの』を買って無言で目的地のマルマンについた。



そしてその日は結構お金をつぎ込んでいた。



久しぶりに裕也の声を聴いたかと思えば、少し落ち込んでいた。



「絵里…今朝は遅刻して悪かったな。」



「ううん、全然いいの。今日はもう帰る?」



「いや、あの台もう少しで出そうなんだけど、さ。」



絵里が不思議そうに顔を傾けると裕也は申し訳なさそうにこういった。



「本当に申し訳ないんだけど、絶対返すから少しだけ貸してくんね?頼む!当たったらすぐ返すし、また飯もおごるからさ。」



絵里は少し驚いていたが、あまり嫌な気にもさせたくなかったので、すかさず「当たりそうなんだ!すごいじゃん!全然いいよ~」



と、1mmたりとも躊躇をみせなかった。



だが悪い予感は当たった。裕也は絵里に1日に2度も借りたお金も全部すってしまい、店の閉店時間が迫っていた。



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