いつもの場所
6. 初体験?



絵里は驚く間もなく、気付けば座席のシートを倒されTシャツの下から胸をわしづかみにされていた。



「ちょ、ちょっと裕也君…?」



裕也は何も言わずにもう片方の手も胸をつかみかけていた。



「お前さ…胸は最高だよな。」



絵里は『胸は』という言葉が気にかったが、徐々に彼のリードに完璧に流され、ドMの絵里には最高のシチュエーションだった。




いつもパチンコがデートの定番になってしまって、ムードもへったくれもなかった。



待ちに待ったセックスだった。



いつもはパチンコで負けて機嫌の悪い裕也だったが、そんな彼も悪くないとなんだか未来が少し明るくなった気がした。



強引な裕也はそのままスカートをまくり上げて慣れた手つきで絵里のレースのパンツをくるぶしまで下げた。



「お前、俺の服ぐらい脱がせよ。」



と薄ら笑いを浮かべると、彼女はすかさず彼のシャツを不慣れな様子で脱がそうとした。



しかし、あまりにぎこちなかったので、裕也は少しキレ気味で



「もういいよ、自分で脱ぐ。」



と言って、絵里が脱がしかけたシャツを再び着なおして、ジーンズだけを脱いだ。



絵里はとにかく彼に身を委ねた。



少し前からポツポツと降りだした雨がだんだんとフロントガラスをにじませていくように、絵里のスカートの中も既にしっとりと…裕也を待ち侘びているようだった。



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