いつもの場所
彼の指がゆっくり太ももをつたい近づいてくると、優しそうに、



「大丈夫?」



と声をかけた。



絵里はその一言が嬉しくてしかたなく、目に涙がじわっとにじんだ。



彼女は首を縦にゆっくり振って『大丈夫』の合図をした。



そして裕也の激しくも優しく動く指に早くも絶頂を迎えたのであった。



「お前…もう?」



と自分の得意とする技を誇らしげに笑みを浮かべた。



「いれるよ。」



その言葉の返事を待たず、裕也は絵里の中にゆっくりと入っていった。



彼女は車の中であるという恥ずかしさが性欲をさらに強め、裕也もこぼれ落ちる声や息切れと共に二人で絶頂を迎えた。



全てを終えた後も、なんだか慌ただしい。



散乱するティッシュを片付け、服を着て、髪を整えた。



裕也は即座に運転席へと座り直し、こう言い放った。



「お前さ、初めてじゃなかったんだな。」
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