いつもの場所
7. アリバイ友達


久しぶりに集まった彼女たち。外はジリジリと焼けるような暑さだが絵里はブルっと身震いをした。それは効きすぎた冷房のせいだけではないだろう。



「最近付き合い悪いくせに相談ってなによ~。」



凛々子が細い目をして重い空気に拍車をかけた。



「この前は連絡もせずに本当にごめん。その上アリバイにもなってもらって…すいません。」



随分と落ち込んでいる絵里の様子に3人も本気で怒る気にはなれなかった。



「それで?話って何よ?」



とネムは、カフェオレをズズズっとすすった。



「うん…実は裕也君のことなんだけど。この前すっごい怒らせちゃったんだ…。」



そういって絵里は今にも泣きそうな目をした。



「うん、それで理由は?」



ネムは『早く要点を』と急かすようだった。



「この前初めて裕也君と…んっと、そうゆうことに…」



「は?ヤっちゃったてことでしょ?なんか問題だった?絵里、裕也君のブツ噛んじゃったとか?」



と小バカにするように凛々子が笑った。



「ち、違うって~!」



一瞬明るくなった雰囲気をネムは機嫌悪そうに、



「はいはい、で?」



と一喝した。



「あ、うんうんえっとね…。怒らせちゃった理由は、あの私…実は…」



しばらく沈黙が流れ、3人もじっくり絵里の口が開くのを待った。



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