いつもの場所
「斎藤?」と朱美が聞き返すと、今度は大きな声で「斎藤だ!!」と絵里が叫んだ。
3人は絵里が見つめる先を覗き込んだが斎藤の姿などどこにもなかった。というより大きな駐車場だったので、居たとしてもこちらからは全くわからなかった。
「え?斎藤いる?」
凛々子が問いかけると、絵里は既に車の外に出て運転席側に回った。
「凛々子!運転代わって!」
「い、いいけど…」と言って凛々子は運転席を絵里に譲った。
ハンドルを握ると人格が変わったように顔つきも険しかった。そしてプロ並みの運転技術で絵里の運転する凛々子の車は、あっという間に絵里の見つめていた先の車の真横にぴったりとつけた。
そして何の確信もあったわけでもないのに凛々子と朱美、ネムは、絵里に続いて腰をかがめ身を潜めた。
4人は息を飲んでそーっと窓から隣の車を覗き込んだ。すると…やはり斎藤の姿が見えた。
「絵里…あんたもしや動物的嗅覚の持ち主?」
と、ネムが笑った。しかし彼女の表情が一変した。
「あれ?隣に乗ってるの瑞穂じゃない?!」
「嘘!」と朱美がそーっと見つめると、
「あ、本当だ、今日着てたレースの袖が見える!」
確か瑞穂は今日「彼氏に会うから」と足早にデニーズを後にしたので絵里以外の3人は「なるほどね~」と納得したようだった。
3人は絵里が見つめる先を覗き込んだが斎藤の姿などどこにもなかった。というより大きな駐車場だったので、居たとしてもこちらからは全くわからなかった。
「え?斎藤いる?」
凛々子が問いかけると、絵里は既に車の外に出て運転席側に回った。
「凛々子!運転代わって!」
「い、いいけど…」と言って凛々子は運転席を絵里に譲った。
ハンドルを握ると人格が変わったように顔つきも険しかった。そしてプロ並みの運転技術で絵里の運転する凛々子の車は、あっという間に絵里の見つめていた先の車の真横にぴったりとつけた。
そして何の確信もあったわけでもないのに凛々子と朱美、ネムは、絵里に続いて腰をかがめ身を潜めた。
4人は息を飲んでそーっと窓から隣の車を覗き込んだ。すると…やはり斎藤の姿が見えた。
「絵里…あんたもしや動物的嗅覚の持ち主?」
と、ネムが笑った。しかし彼女の表情が一変した。
「あれ?隣に乗ってるの瑞穂じゃない?!」
「嘘!」と朱美がそーっと見つめると、
「あ、本当だ、今日着てたレースの袖が見える!」
確か瑞穂は今日「彼氏に会うから」と足早にデニーズを後にしたので絵里以外の3人は「なるほどね~」と納得したようだった。