いつもの場所
2. 受け皿



店員の影に隠れて出てきたのは…



淳(じゅん)だった。



淳と凛々子は学生の頃からの恋人だったが、淳の王様っぷりに彼女は愛想を尽かし、ちょうど1週間前に別れを突きつけたのだ。



凛々子も最後は何年も付き合ってきたとは思えないほどあっさりと一方的だった。



『ごめん、別れよう。今までありがとう。』とメール1通。それから何度も彼からのメールや電話があったが彼女は何一つ対応しなかった。



しかし凛々子の別れの理由は一つではなかった。



そう、『受け皿』ができたのだ。



最近通い始めた英会話教室での出会い、彼女にとっては衝撃的なものだった。



今まで知っていた恋愛に対する概念がガラッと変わった。



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