不思議の国の白雪王子
「そーいうこと。」
王子はつまらなさそうにあくびをした。
あんた、絶対面倒くさいだけでしょ!
「まあ、断ってもいーけど?でも俺は地図も渡さないし調べてもやらないからな?」
今のところ帰り方も分からないしここがどこなのかも分からない。
さっきの森に1人で入ったら一発で迷子だろう。
「あ、そうそう。さっきの森、夜になるとよくオオカミが吠えてるなあ。」
そう言ってニヤリとこっちを見る。
コイツは本当に…!
「分かったわよ。どうせもう2回もキ、キスしちゃったんだし、それくらいしてあげる!」
「小娘!王子が置いて下さると言うのに何だその言い草は!」
うさぎの言葉にふんっと顔を背けると王子が近づいてきた。
また顎を掴まれる。
「何か言うことは?」
「っ……お願い、します。」
私は「よろしい。」と言う俺様意地悪変態王子の背中に、ベーっと舌を出したのだった。