不思議の国の白雪王子
♠Episode 1.
「亜利子(アリス)!おっはよーう!」
朝、学校に着いた途端、親友の元気な声が聞こえてくる。
「花(ハナ)!おはよう。」
私は下駄箱で靴を履き替えながら、ニコッと笑って返事をした。
「今日小テストあるじゃん!最悪〜。」
唇を尖らせて言う花に、私はクスクス笑いかけた。
そうやって廊下を歩いて雑談をしていたら、
「お、おはよ!亜利子ちゃん!//」
見知らぬ男子がぎこちない笑顔で挨拶をしてきた。
私は返事はせずに少し笑ってみせただけなのだが、
しばらくすると向こうの方で「亜利子ちゃんと挨拶した!」と興奮する声が聞こえた。
「また亜利子だけかあ〜。今日は何人声かけて来るかな?」
「うーん、分かんないけど…知らない人に声かけられるの、ちょっと怖い。」
私のその返事に、花が爆笑した所で教室に着いた。