不思議の国の白雪王子

私は慌ててクロさんと兵士の間に割って入り、連れて行かれない様にかくまう。


白雪は、そんな私に冷たい視線を送った。


「お前も…地下牢に行きたいのか?」


「クロさんが地下牢に連れて行かれるくらいなら私が行くわ。」


「……」


「部屋に入れたのは私だもの。」


「……」


「…私は、白雪と話がしたい。」


白雪の冷たい視線に負けないように、私も負けじと睨み返す。


すると、しばらく睨み合った後、白雪が「ハア…」とため息をついた。


「コイツと2人きりにしてくれ。クロ…黒雪は客間に軟禁してろ。」


私が言った事、呑んでくれるんだ…


昨日あんなに怒ってたのに… 


そうして、ラビちゃんと兵士達はクロさんを連れて部屋を出て行った。


部屋には、私と白雪の2人だけになった―
< 39 / 45 >

この作品をシェア

pagetop