不思議の国の白雪王子

皆が私に群がってくるのは仕方がないこと。


私が魅力的だから。


でも、最近私の周りはつまらない。


私が歩けば誰もが振り返り、私が笑えば皆頬を染めた。


初めはそれが面白くてしょうがなかったが、


今では当たり前になってしまって、どうもつまらない。


「ねえ亜利子!今日ドーナツ食べに行かない?」


帰ろうとしていた私の所に花や女子達が集まってきた。


「ごめん、今日は先約があるんだ。」


少し申し訳なさそうに笑うと、花達はすぐに了解してくれて、


私は1人で歩いて家に帰り、ベットに倒れ込んだ。


もちろん先約がある何て言うのは嘘。


花達は毎日のように誘ってくるから、たまに一緒に寄り道をしたりするけれど、


私からは絶対に誘ったりはしないし、行ったとしても1ヶ月に一度程度だ。




ああ、今日も疲れた。




私はそのまま眠りについた―。
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