不思議の国の白雪王子

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私は夢を見た。





真っ暗で何も見えない。


そこに1人男の子が話しかけてきた。


『お姉ちゃん、どうして泣いているの?』


泣いてる?私が?


近くにあった鏡で顔を確認すると、ボロボロと泣いている私がいた。


『悲しいの?』


悲しくなんてない。悲しいことなんてない。


『じゃあ、どうして泣いているの?』


分からない。私は…。


『大丈夫だよ。僕は君の味方だから。』


あなたは誰なの?


『僕は…✗✗だよ。』


え?よく聞こえない。


さらに、暗かった周りが急に明るくなった。


眩しさで男の子がよく見えない。


『僕は…いつ…君…』


男の子の声も、体も薄くなってゆく。


どこに行くの?




そう聞くと、男の子はニコッと笑って消えて行った―。




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