さよなら、もう一人のわたし
 まさか、そんな風に切り替えされるとは思わなかったのか、驚いたようにこちらを見る。

「大丈夫よ。大体わたしだって、高校中退はしたくない。変なことなら同じ高校の子に声をかけないわ。無理にとはいわないけど、わたしの家に遊びに来る? 映画もたくさんあるから。お兄ちゃんにも会せるわ。それからゆっくり考えて決めればいい」

「遊びに来るだけなら」

「決まりね」

 彼女は不機嫌そうな表情も見せずに、明るくそう返した。
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