大切な人へ
「どーぞ」
車の運転席から笑顔で言う先生
目の前には黒くて少し大きな車
おじゃましますと助手席のドアを開けて乗り込む
足もケガをして遅くなってしまった為
車で送ると譲ってくれず こうなってしまった
『本当に今日は…すみません…』
先生の横で小さくなる
「いいってば 家どっち?」
気にしていないようにしてくれる
『あ…こっちに曲がって国道を_______』
大体の場所を説明したら 先生は少し驚いていた
車なら15分くらいの距離だ
彼は運転しながら笑って話す
「俺の家とすごい近い。びっくりしたなー」
『え⁉そうなんですか?』
「うん。__のコンビニの近くだろ?」
そんな事を話していると本当にすんなり着いた
『ここ私のアパートです』
そう言うとゆっくり進み白線内に車がとまった
「ここ俺の駐車場です」
その場所は近いというよりアパートの目の前
「マンションはあれだけどね」
そう言って指差したのは20mも離れていない所
「手降ったら見えるかな 笑」
『そうですね 笑
今まで会わなかったのが不思議なくらい』