大切な人へ


ー先生sideー



暗い部屋で目が覚めた…どこだ?

目だけを動かし部屋を見ていると
だんだん思い出してきた…!

俺、寝ちゃったんだ_____



かばっと起き上がって見回しても
彼女がいない

ベットの縁までいって__


「おっと…」

思わず声が出てしまった
彼女が床で眠っている

こんなところで…



自分にかけてくれたであろう布団を
今度は彼女にそっとかけた


どうしよう…


今帰ってもカギも閉められないし
時計を見ると3時。起こすのも可哀想だし

結局また横になり 寝息をたてる彼女を見下ろした




閉じていてもわかる大きな目と長いまつ毛、
すっと通った鼻に小さな口、
手入れされた綺麗な髪

1つずつに見とれる…


顔も小さいなー



『…ん』

彼女の甘い声にとっさに目を閉じた
寝返りをうっているような音
体が痛いんだろうな 罪悪感を感じる


目を開けると背中を向けて布団はずれていた

服がめくれて見える綺麗な背中
キュッとしまったクビレに目が行ってしまう

…… 。


それを隠すようにまた布団を掛けなおす



この状況でもし彼女が同世代なら
生徒ではなければ

全く逆の行動をとっていたかもしれない



感情を抑え、優しい教師であろうとするのは

彼女が…藍野さんが生徒だから



< 65 / 192 >

この作品をシェア

pagetop