ラブ パラドックス
「開運と自己改革のために、毎晩就寝前にその日一日のよかったことを思い浮かべるといいわ」

「よかったこと?」

「自分をほめてあげなさい。日記かなにか記録に残すと、より運勢が開けるわ」


ふむふむ。それならできそう。なんて、すでにやる気になってるから怖い。

今まで、占いなんて信じないタイプの人間だと自己分析してたけど、私って意外と真に受けやすいんだ。「私に限って」と思う人ほど詐欺に騙されやすいって聞くし、気をつけよう。

そろそろ終わりの雰囲気を察知し立ち上がると、座るように指先で指図された。

再び正面に座った私に、その黒ずくめの女性は言った。


「あなた、変わりたいのね」


そりゃあ、まあ。素直になりたい。

でもわたし、そんなこと言ったっけ。


「今日が大きなターニングポイントになるわ」

「今日?今日がターニング…」

「変われるわよ、あなたが望み、行動すれば。ただし自分を見失わないよう気をつけなさい」
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