ラブ パラドックス
私がゆっくり駅へ歩みを進めると、彼女も合わせるように歩き始めた。恐らく二人とも、同じ目的地。お互い、チラリと目くばせし、ニコリ、笑みを交わす。
うわ。なんだこれ、気まずいわ。
「駅同じですか?」
語尾を伸ばし気味な口調。低い位置から向けられる笑顔。
か、かわいい。
「あ、ですね、恐らく」
「よかったら、一緒に帰りませんか?」
「はい、ぜひ」
「よかったー。わたし一度お話してみたかったんです。以前お見かけしたときから、モデルさんみたいに綺麗な人だなって、ずっと思ってたんです」
「ややや、お恥ずかしい。でも、お世辞でも嬉しいです。ところでお名前は?わたしは、葉月凛子と申します」
「あ、 吉野美優です。友達からは”みゅー”って呼ばれてます」
可愛い人は、名前までかわいいのね。ニックネームもかわいいのね。
同い年で、歯科衛生士として、数ヶ月前から一階の歯医者で働いているという吉野さんは、私のコンプレックスを全部取っ払ったような人だ。
小さくて、かわいらしくて、柔らかい雰囲気。
憧れる。
うわ。なんだこれ、気まずいわ。
「駅同じですか?」
語尾を伸ばし気味な口調。低い位置から向けられる笑顔。
か、かわいい。
「あ、ですね、恐らく」
「よかったら、一緒に帰りませんか?」
「はい、ぜひ」
「よかったー。わたし一度お話してみたかったんです。以前お見かけしたときから、モデルさんみたいに綺麗な人だなって、ずっと思ってたんです」
「ややや、お恥ずかしい。でも、お世辞でも嬉しいです。ところでお名前は?わたしは、葉月凛子と申します」
「あ、 吉野美優です。友達からは”みゅー”って呼ばれてます」
可愛い人は、名前までかわいいのね。ニックネームもかわいいのね。
同い年で、歯科衛生士として、数ヶ月前から一階の歯医者で働いているという吉野さんは、私のコンプレックスを全部取っ払ったような人だ。
小さくて、かわいらしくて、柔らかい雰囲気。
憧れる。