ラブ パラドックス
今日食べようと思ってたお豆腐は明日にしよう。昨日もラーメン食べに行ったし、節約できてないな。

コーヒーショップ入るのやめて、湊さんのお店の外で待ってようかな。

などと考えていたから、突然視界に入ってきた二人組に、ぶつかるまで気付かなかった。

ドン、と真正面からぶつかってしまい慌てるわわわ、完璧、私の前方不注意。


「すみません」

「お前何やってんだよ。前見て歩け」

「夏目くん?」

「俺もいるよー」


夏目くんの隣で笑うのは中村くんだ。


「どうしたの?二人そろって」

「これ」

夏目くんが、手に持っていた紙袋を持ち上げる。


「なるほど。今日は何をお買い上げでございますか?」

「Yシャツ」

「なんちゃらセミナーに向けて、気合入れで新調したんだよな」

「お前、余計な事言うなよ」

「なんで?いいじゃん。それでさ、この前葉月さんが選んだネクタイ持ってきて、これに合うものって」

「黙れって」

「なに怒ってんだよ」


夏目くんに睨みつけられた中村くんが首をかしげる。そういえば、夏目くんがあのネクタイしてるの、見たことない。

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