ラブ パラドックス
なによ!かっこいいこと言って!

自慢じゃないけど、”迷ったらやめる”が信条なの。石橋は散々叩いて渡らないの。


でもね。そこまで言われたら、絶対帰るもんかって意地張っちゃうよね。

だいぶしゃんとした足取りを確かめつつ、駅と反対方向に歩みを進める。2歩で追いついてきた夏目くんが、ニヤリと含みのある視線を落としてくる。

負けるもんか。今度は逆に、私が夏目くんの手首を引いて夜の街へ戻る。

「夏目くんそんなに私と飲みたいんだ。しょうがないな、付き合ってあげる」

「はいはい」



結局、部屋に帰ったのは夜中の2時を過ぎていた。

そのまま寝てしまおうか、シャワーを浴びようか、さんざん悩んでシャワーを浴びた。

使ったコップもシンクに放置してベッドに潜り、枕元の携帯で時刻を確認して、あっと思い出した。

開運と自己啓発のための、褒め日記。


ちょっと考えて付箋のアプリを開く。これなら気負わず、ちょこっと気軽に書けるかな。
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