ラブ パラドックス
「葉月さん、陽くんに何を吹き込んだの?陽くんを好きなの?」
なにこのとばっちり。
手を振りほどこうとしてもほどけない。その小さな体のどこに、こんな力があるのよ!
「おい。やめろ」
伸びてきた夏目くんの手に掴まれる、わずかの差で早く解放された手首。
夏目くんに咎められ、顔を曇らせた美優さんは、涙を浮かべ、夏目くんをじっと見つめる。
「美優さん」
私が声をかけると美優さんが振り向いた。はずみで彼女の瞳から涙がこぼれおちる。
美優さんは夏目くんを好きで、振り向いてもらおうと努力したけど間違えた。
振り向いてもらいたいのに、あれこれ考えては、怖がって何も行動できない自分自身と比べてしまう。
胸が痛い。
でも。
「わたしが夏目くんを好きかなんて、美優さんに答える義務はありません。わたしが言えることは、美優さんは平成12年法律第81号のストーカー規制法及び、平成25年7月23日施行の改正ストーカー規制法について、知っておいたほうがいいと思います。では」
これ以上、間違った行動をとらないで。
その場を立ち去るとき、もう美優さんに止められることはなかった。
なにこのとばっちり。
手を振りほどこうとしてもほどけない。その小さな体のどこに、こんな力があるのよ!
「おい。やめろ」
伸びてきた夏目くんの手に掴まれる、わずかの差で早く解放された手首。
夏目くんに咎められ、顔を曇らせた美優さんは、涙を浮かべ、夏目くんをじっと見つめる。
「美優さん」
私が声をかけると美優さんが振り向いた。はずみで彼女の瞳から涙がこぼれおちる。
美優さんは夏目くんを好きで、振り向いてもらおうと努力したけど間違えた。
振り向いてもらいたいのに、あれこれ考えては、怖がって何も行動できない自分自身と比べてしまう。
胸が痛い。
でも。
「わたしが夏目くんを好きかなんて、美優さんに答える義務はありません。わたしが言えることは、美優さんは平成12年法律第81号のストーカー規制法及び、平成25年7月23日施行の改正ストーカー規制法について、知っておいたほうがいいと思います。では」
これ以上、間違った行動をとらないで。
その場を立ち去るとき、もう美優さんに止められることはなかった。