ラブ パラドックス
Chap.02 経験
勤務中、お昼は各自適当に済ませる。私はいつも、節約のために何かしら持参する。
今日もいつものように、フロアの一角にあるちょっとした打ち合わせに使うミーティングスペースで食べていたら、コンビニ袋を下げた夏目くんが合流した。
最近、このパターンが多い。
おつかれ。と声を掛け合い、割と無言で食べ始める夏目氏。一口が大きくて男らしい。
彼の選ぶお弁当は、ハンバーグどーん、唐揚げどーんのお弁当ではなく、十五穀米で温野菜多めなど、ヘルシーなものが多い。
「お前って丁寧な仕事するよな。早いし」
「そう?」
「印象変わったわ」
「ということは印象悪かったってことね。よくわかった」
「お前にはいい意味で裏切られた」
蓮根の煮物を1つ、ぱくっと口に入れた夏目くん。「どう思ってたわけ?」と詰め寄ると、あっさり白状した。
「わりい、こんな真面目でできるやつだとは思ってなかった。登記にいたころは」
「真面目に取り組んでるけど、出来るかどうかは、それは夏目くんよりこっち分野の経験が長いからであって」
「お前の仕事っぷり好きよ?素直にありがとうって言っとけ」
「…ども」
今日もいつものように、フロアの一角にあるちょっとした打ち合わせに使うミーティングスペースで食べていたら、コンビニ袋を下げた夏目くんが合流した。
最近、このパターンが多い。
おつかれ。と声を掛け合い、割と無言で食べ始める夏目氏。一口が大きくて男らしい。
彼の選ぶお弁当は、ハンバーグどーん、唐揚げどーんのお弁当ではなく、十五穀米で温野菜多めなど、ヘルシーなものが多い。
「お前って丁寧な仕事するよな。早いし」
「そう?」
「印象変わったわ」
「ということは印象悪かったってことね。よくわかった」
「お前にはいい意味で裏切られた」
蓮根の煮物を1つ、ぱくっと口に入れた夏目くん。「どう思ってたわけ?」と詰め寄ると、あっさり白状した。
「わりい、こんな真面目でできるやつだとは思ってなかった。登記にいたころは」
「真面目に取り組んでるけど、出来るかどうかは、それは夏目くんよりこっち分野の経験が長いからであって」
「お前の仕事っぷり好きよ?素直にありがとうって言っとけ」
「…ども」