ラブ パラドックス

「うん」

湊さんが困ったように笑う。


「わたし、夏目くんが好きで、」

「うん」

「湊さんは、かっこよくてすごく優しくて。湊さんと会って食事するのはすごく楽しい。でも、」

「でも?」

「ごめんなさい」

「…うん、わかってた」


湊さんの、ため息と一緒に漏れた一言が、ひどく胸を締め付けた。


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