ラブ パラドックス
終電はとうに終わっていて、国道沿いで拾ったタクシーに飛び乗った。

自分の部屋に戻って、部屋の明かりをつける。夏目くんと作ったダイニングテーブルが目に入った途端、泣けてきた。


あの日は、一日、すごく楽しかった。


私服のコーデがそっくりで。

買い物して回って、ランチもした。

二人でテーブル作って、夜、私の手料理をたくさん食べてくれた。

それから、たくさん迷惑をかけてしまった。


朝目覚めたら隣で寝ていて。

すごく、すごく好きになった。



このまま何も考えず寝てしまいたかったけれど、目は冴えていて落ち込む一方。確実に泣いてしまう。


なんとかリセットしようと、熱いシャワーを頭から浴びて、結局泣いた。

胸に、赤い小さな跡を見つけたから。


痛くもかゆくもないそれは、こすっても取れず、明らかに付けられたもの。


夏目くんとのセックスを思い出し、体が熱くなる。

彼への想いと深い後悔が、胸を締め付ける。


堪えていた分、堰を切ったように流れる涙。


当分、止まりそうもない。



夏目くん、これは偶然ついたの?


それとも、何かの意味がある?

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