ラブ パラドックス
母とゆっくり過ごすという、今回の帰省の最大の目的は果たせたと思う。


心配していた母の体調は、救急搬送されたとは思えないほど健康で、母の事前の段取りで、近場の温泉に一泊することができた。


親子水入らずで露天風呂につかりながら、ガールズトークだ。

病院に付き添ってくれたあのイケメンは彼氏でしょ。と、とことん追求された。

母は私に、夏目くんのことを聞きたくて仕方なかったらしい。


さすがに実母に『私は彼のことが好きなんだけど、実はヤっちゃって』とは言えず。


その辺りには触れずに、がっつり恋愛相談をしてしまった。


今まで母とこういう類の会話をしたことがなかったので、すごく照れくさかった。


長年壁があった(私が作っていたものなんだけど)母との関係が、うんと改善された帰省だった。


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