ラブ パラドックス

「腹減った。お前がもたもたするから」

「やだ夏目くん。女子はお泊まりの準備に時間がかかるって知らないの?」


私の発言は見事に無視され、夏目くんは買って帰ったデリをローテーブルに並べる。


一旦わたしの自宅に戻り、想定外のお泊まり準備(しかもちゃんと泊まるのは初めて)と格闘している間、待っていてくれた夏目くんが、あまりにも遅いのでしびれを切らして近所で夕食を調達してくれたのだ。


お洒落で美味しいと評判のフレンチデリ。

もちろん高くて自分で買ったことはないし、食べたいものは自分で作る派でもある。

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