ラブ パラドックス
「夏目くん、大好き」
「ん、」
夏目くんの手が、私の体を撫でる。
ゆっくりと、腰から上がってくる。
「いつから私のこと好きだったの?」
敏感に反応してしまう体を、快感から逃れるようによじりながら尋ねた。
「それ今聞く?」
「今聞きたい」
一瞬、寄った眉根はすぐ元に戻り、観念したのか、ふう、と息を吐いた。
「登記から移ってすぐ。悪いかよ」
「痛っ」
首に嚙みついてきた頭を、ギュと抱きしめた。
痛かったからじゃない。
愛しさの所為。