ラブ パラドックス
夏目くんが部屋の照明を小さく絞る。


オレンジの柔らかな灯りの下、目と目が合って、当たり前のようにキスをして。

それからゆっくり、わたしのジャケットを袖から引き抜いた。


それを無造作に床に落とし、シャツのボタンを、上から順に外しながら、耳、首、鎖骨、現れた素肌に唇を寄せる。


熱い息と唇が肌に触れただけで、抑えられず声が漏れる。


あっという間に下着だけになり、背中の下に手が差し入れられた。

無意識に反応し、背中を浮かしたところに、キス。


熱く、荒く、絶えず唇を貪りながら、夏目くんも服を脱いだ。


オレンジの灯りを背負った背中は、改めて見ると、とても大きくて分厚い。

私の二倍くらいありそうな肩幅。太い首から鎖骨にかけてのラインがきれいで、筋肉の隆起が男らしくてたくましい。


ぴったりと寄り添う身体の、重さとか、熱さとか、においとか。


全身で夏目くんを感じながら、止めどなく与えられる快感に、恥じらう余裕もないくらい、声が漏れて、身体が示す。

もう、とろとろに、溶けそうで。


全身で、気持ちいいと伝えてしまう。
< 203 / 294 >

この作品をシェア

pagetop