ラブ パラドックス
「勘弁してくれ。そんなかわいい仕草すんなよ。また飯が遠のく」


驚いて顔を見上げると、あながち冗談でもなさそうに、瞳が濡れていた。

さっと伸びてきた手が、胸の辺りを優しく動く。


にこにこと、嬉しそうに微笑む顔が近づいてきて、弾むようなキスをくれる。


ちゅ、ちゅ、と楽しそうに唇を重ねたのは2度。


胸を気ままにさまよっていた指が、狙いを定めとどまったと同時に、キスもガラリとモードチェンジだ。

びくり、さっきまでの快感を身体が瞬時に思い出す。


動きを止めようと手をつかむと、すぐ指を絡め捕らわれる。

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