ラブ パラドックス

「ねえご飯食べようよ」

「そうだな」

「それより先にシャワーしよ」

「一緒に?」


「でも」とか「お腹が」とかごちゃごちゃ言いながら、素肌を感じていると、すぐ二人とも欲しくなって。

結局、気が済むまで、貪るように何度も抱き合って。


声が枯れるほど喘いで。

真冬だってことを忘れそうなくらい、熱くなって、汗をかいて。


体力が尽きて、あまりの倦怠感に動けなくなったところを、飯食うぞとたたき起こされ。



明日も仕事だということを思い出したのは、バスルームで湯船に浸かって「狭い。窮屈」と笑い合っていたときだった。



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