ラブ パラドックス
「よし。寝てるね。今日はほんとにごめん。夏目くんがあんなに怒るって思わなくて、びっくりして怖かった。嫌われたんじゃないかって。もっと素直に好きって言えるようになるから。かわいい女子になるから、だからずっと好きでいて?夏目くんのこと、好きで好きで仕方なくて、ずっと一緒にいたいから…陽、大好きだよ」
俺は今、都合のいい夢でも見てんのか?
夢でもなんでもいいや。よくわかんねえ。
俺だけじゃねえな。葉月も俺のこと好きなんだな。
まあ、俺のほうが好きだけど。
翌朝葉月に、昨夜寝る前に何か言ったかと尋ねた。
「起きてたの?」
葉月が慌てるから。
「やっぱり夢か」ととぼける。
「ん、どうだろうね」
と、目を細めた。