ラブ パラドックス
「凛子ってほんとかわいいよな」

「そうですね」

「あいつがあんなデレるところ初めて見た。あーでもきみの画像見せてもらった時も嬉しそうだったな」

「そうなんですね」

「まあ、あんなやつだけど大事にしてやってよ」

「はい。もちろんです」

「うん。安心した。凛子もそうだけど、きみも凛子のこと大好きなんだろうね」

「そうですね。もう、やばいです」


あはは、やばいか。と笑われていると遠くでアラームが鳴った。


「1分たったよー!」


葉月の声がする。

スタッフルームから出ようとした俺の背中に、光さんの手が触れてきた。

この人は男も好きだと思い出し少し身構えると、耳元で声がした。


「あいつ勘違いしてるみたいだけど、俺の恋愛対象は女性だけだから」

「それってどういう…」

「あいつには言わないで」


その言葉の真意は俺にはわからないし、深く追求しようと思わなかった。

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