ラブ パラドックス
「落ち着いたか?」
一旦ベッドから出て、凛子にタオルと水を持っていってやる。
「ありがとう」とそれらを受け取り、タオルに顔を隠すように押し当て、大きく息を吐いた。
起き上がりベッドに腰かけ水を一口飲み、飲む?とペットボトルを差し出してきたので受け取った。俺はそれを一気に飲み干し、空きボトルをキッチンへ持っていった。
タオルはまだ凛子が握りしめている。
「落ち着いたら寝ろ」
凛子を寝させて、俺もベッドに転がった。凛子の頭を少し持ち上げ、首の下に腕を差し込み凛子の身体をこっちに向かせて抱きしめた。
今夜はこのまま寝よう。
凛子がもう怖い夢を見ませんように。
「陽ってあったかいね」
目を瞑り、うとうとしていると凛子が声をかけてきた。
ギュ、と俺に身体を寄せ、いつになく甘えてきている。