ラブ パラドックス
「じゃあ私も陽に身に付けてもらえる何かをプレゼントする。何がいいかな。腕時計とか?でも時間はスマホで見てるよね?」
「いや、欲しいやつがある。いつか買いたいって思ってる高級時計が」
「はい?」
「冗談だよ」
嬉しそうに笑う凛子が、もう車涼しくなったかな。と腕を組んでくる。
いつになく身体を寄せてくるから、同棲と指輪の案件は申し出て正解だったと胸をなでおろした。
周りに人がいないことを確認して、俺から、ほんの一瞬唇が触れ合うだけのキスをした。
ニヤリと笑った凛子から、お返しに、さっきより少し長めのキスが返ってきた。