ラブ パラドックス
「二人で暮らす部屋ってどういう間取りがいいんだろう。昨日はここ!っていうのがなくて。光くん、なんでもいいからアドバイスちょうだい」
「寝室を分けるか。お互い個室が必要かが決まればそんな悩む必要ないだろ」
「寝室は一緒。個室なんだよね、ポイントは。個室なかったら喧嘩したら逃げ場がないよね」
「それより、おばさんにちゃんと許可とったのか?」
「あ、うん。お父さんのお墓参りに一緒に行って、その帰りに。ねえ、陽とプール行ったときの話聞いてくれない?陽が派手目な女子にナンパされてて、」
「自慢の巨乳見せつけてギャルを蹴散らしたのか」
「下品!もういいよ。飛び込み?高いところから飛び込むイベントがあって、それがすごくてやばかったのとか、光くんにはもう教えてあげない」
悪い凛子。あいつは確かにいい男だと思う。でも本当は興味ないんだ。お前の前ではバイのふりをしてるけど、俺の恋愛対象は女だけだ。
ガツンと殴られた後みたいに、まだ頭がくらくらする。
同棲…
凛子の右手の薬指に、見たことない指輪が光ってることはすぐ気づいた。でもまさかこんなに早く物事が進行しているなんて。