ラブ パラドックス

「二人で暮らす部屋ってどういう間取りがいいんだろう。昨日はここ!っていうのがなくて。光くん、なんでもいいからアドバイスちょうだい」

「寝室を分けるか。お互い個室が必要かが決まればそんな悩む必要ないだろ」

「寝室は一緒。個室なんだよね、ポイントは。個室なかったら喧嘩したら逃げ場がないよね」

「それより、おばさんにちゃんと許可とったのか?」

「あ、うん。お父さんのお墓参りに一緒に行って、その帰りに。ねえ、陽とプール行ったときの話聞いてくれない?陽が派手目な女子にナンパされてて、」

「自慢の巨乳見せつけてギャルを蹴散らしたのか」

「下品!もういいよ。飛び込み?高いところから飛び込むイベントがあって、それがすごくてやばかったのとか、光くんにはもう教えてあげない」


悪い凛子。あいつは確かにいい男だと思う。でも本当は興味ないんだ。お前の前ではバイのふりをしてるけど、俺の恋愛対象は女だけだ。


ガツンと殴られた後みたいに、まだ頭がくらくらする。

同棲…


凛子の右手の薬指に、見たことない指輪が光ってることはすぐ気づいた。でもまさかこんなに早く物事が進行しているなんて。

< 280 / 294 >

この作品をシェア

pagetop