ラブ パラドックス
「あのね、さくらちゃんに、初めましての時からお互い意識してたんですか?って聞かれたから、違うよって答えたんだ。じゃあ第一印象は?って聞かれて正直に答えたら、二人に爆笑されたの思い出した」

「は?お前俺の第一印象は?」

「かっこいいけど、それ以上にいい身体」

「最低かよ」

「だって、スーツ着ててもわかるくらい筋肉がやばかったんだもん。ねえ、私の第一印象は?」

「すっげえ美人。でも、頭の先からつま先まで隙が無くて、めちゃくちゃ金かかりそう」

「そっちも最低!」

「前話しただろ?ラーメン食いに連れて行ったらキレられそうとか、そんなニュアンスのこと」

「言われたかも」


「「まさかこんなに好きになるとは」」



マンションのエントランスで、声が揃って大笑いしちゃって、「しっ」と陽にたしなめられた。
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