ラブ パラドックス
*
「夏目先生お疲れ様です。今日も笑いあり感動ありでした。今いいですか?」
舞台裏でプロジェクターを片付けていたら、事務の女性に声をかけられた。凛子が麻紀姉さんと呼んでいる、俺たちより少しだけ年上の女性だ。
「お疲れ様です。大丈夫です」
「受付に川原と名乗られる男性がいらして、もしよかったら夏目先生に一言挨拶したいっておっしゃられてて…」
「かわはら?」
うーん、誰だろうか。受け持った顧客じゃないし、今日の参加者だろうか。
特徴は?と聞こうとしたのを遮ったのは麻紀さんだった。
「セントラルスイミングセンターって言えば思い出してもらえるかなっておっしゃってました」
「コーチ?」
一気に体温が上がる。まだセミナーが終わったばかりで、そうでなくても高揚しているのに。
「どこですか?」
「このホール出てすぐ正面玄関近くのベンチでお待ちです」
「ありがとう!」
壇上脇の階段を駆け下りながら麻紀さんに声をかける。
「凛子どこだ?申し訳ない、葉月先生呼んで来てもらっていいですか?」
麻紀さんが「承知しました」と微笑む。
「夏目先生お疲れ様です。今日も笑いあり感動ありでした。今いいですか?」
舞台裏でプロジェクターを片付けていたら、事務の女性に声をかけられた。凛子が麻紀姉さんと呼んでいる、俺たちより少しだけ年上の女性だ。
「お疲れ様です。大丈夫です」
「受付に川原と名乗られる男性がいらして、もしよかったら夏目先生に一言挨拶したいっておっしゃられてて…」
「かわはら?」
うーん、誰だろうか。受け持った顧客じゃないし、今日の参加者だろうか。
特徴は?と聞こうとしたのを遮ったのは麻紀さんだった。
「セントラルスイミングセンターって言えば思い出してもらえるかなっておっしゃってました」
「コーチ?」
一気に体温が上がる。まだセミナーが終わったばかりで、そうでなくても高揚しているのに。
「どこですか?」
「このホール出てすぐ正面玄関近くのベンチでお待ちです」
「ありがとう!」
壇上脇の階段を駆け下りながら麻紀さんに声をかける。
「凛子どこだ?申し訳ない、葉月先生呼んで来てもらっていいですか?」
麻紀さんが「承知しました」と微笑む。