ラブ パラドックス
「凛子ちゃん顔赤い」
「ほんとに?」
「やばいな。余計離したくなくなる」
「だめだよ。ほら飲みに行かなきゃ。飲んでひと暴れしなよ。売り上げ売り上げうるせーって」
わざとおどけた。そうでもしなきゃ、恥ずかしくて恥ずかしくて。
「行きたくないな。応援してよ。本部の奴らに負けるなって」
「よしよし。がんばって」
空いてるほうの手で、湊さんの頭を撫でた。
ワックスがついていて、想像してたより、硬かった。
くすぐったそうに肩をすくめる湊さん。
わたしってば無意識に頭なんか撫でちゃった。
もっと気の利いた行動すれば良かった。