ラブ パラドックス
「おい、葉月、おい」
「ん」
「立ったまま寝るな。すげえな。器用すぎる」
「寝てないし」
嘘。確実に意識飛んでた。全力で重い瞼をこじ開ける。
「あと二組だから、それまで俺に寄りかかっとけ。少しは楽だろ」
伸びてきた長い腕。大きな手のひらに頭をぐいと引かれる。落ち着いたのは夏目くんの右肩だった。確かに安定感がある。これは厚意に甘えよう。
「すまんねえ、夏目くん」
「前田先生の物まねしてんじゃねえ」
「似てない?」
「似てない。言っとくけど俺の肩高えぞ」
「体で払う」
「全然足りねえよ」
「おい」
笑顔で目を閉じた。10月の夜風と、久しぶりの人のぬくもりは心地よかった。
「ん」
「立ったまま寝るな。すげえな。器用すぎる」
「寝てないし」
嘘。確実に意識飛んでた。全力で重い瞼をこじ開ける。
「あと二組だから、それまで俺に寄りかかっとけ。少しは楽だろ」
伸びてきた長い腕。大きな手のひらに頭をぐいと引かれる。落ち着いたのは夏目くんの右肩だった。確かに安定感がある。これは厚意に甘えよう。
「すまんねえ、夏目くん」
「前田先生の物まねしてんじゃねえ」
「似てない?」
「似てない。言っとくけど俺の肩高えぞ」
「体で払う」
「全然足りねえよ」
「おい」
笑顔で目を閉じた。10月の夜風と、久しぶりの人のぬくもりは心地よかった。