ラブ パラドックス
「サンドペーパーで木材の表面を整えます。触ってみて。ザラザラでしょ?ここをこの240番で整えると…」
「おお、すっげ。さらさらになった」
力を入れず撫でるようにこすると、面白いくらい手触りが変わる。それを二人掛けサイズの天板全面に施していく。
それからオイルステインを塗って、下色を付ける。
最後にワックスで仕上げると、木目にワックスが入り込んで、アンテーク風の味わい深い天板が出来上がる。
「こういう感じ?」
「あ、うん。もうちょっと、こう、さっと…」
オイルステインはいらない布で塗る。こういった作業未経験の夏目くんは、加減がわからないらしい。
「こんな感じで、ささっと表面を染めるように動かすの」
布切れを持った夏目くんの右手に、自分の右手を添えて、実際ささっと滑らせた。
「なるほど」
夏目くんが振り返る。思わぬ距離が近くて、夏目くんの手が大きくて、ごつごつしていて、温かくて。慌てて手を離した。
わたしってば、どさくさに紛れて触っちゃったよ。
「おお、すっげ。さらさらになった」
力を入れず撫でるようにこすると、面白いくらい手触りが変わる。それを二人掛けサイズの天板全面に施していく。
それからオイルステインを塗って、下色を付ける。
最後にワックスで仕上げると、木目にワックスが入り込んで、アンテーク風の味わい深い天板が出来上がる。
「こういう感じ?」
「あ、うん。もうちょっと、こう、さっと…」
オイルステインはいらない布で塗る。こういった作業未経験の夏目くんは、加減がわからないらしい。
「こんな感じで、ささっと表面を染めるように動かすの」
布切れを持った夏目くんの右手に、自分の右手を添えて、実際ささっと滑らせた。
「なるほど」
夏目くんが振り返る。思わぬ距離が近くて、夏目くんの手が大きくて、ごつごつしていて、温かくて。慌てて手を離した。
わたしってば、どさくさに紛れて触っちゃったよ。