僕の星
(そんなに酷かったかな)

 予想以上の反応に里奈は動揺し、アプリを閉じるとスマートフォンを急いでバッグに仕舞った。
 テーブルは静かになり、そして、進太が神妙な口ぶりでぽつりと漏らす。

「酷いな……」

 里奈は頭を殴られたようなショックを受けた。

(そんなこと、わざわざ口にしなくてもいいじゃない)

 春彦は瞼を伏せ、黙っている。
 里奈は目尻が熱くなってくるのを覚えた。思わず席を立とうとした、その時――

「君はもう、春彦のものなんだね」
「……え?」

 進太が深いため息とともに、思わぬことを口にした。

「いくら君のことをきれいだなって思っても、君は僕のものじゃないんだ。とても空しいよ」
「……」

(今、きれい……って、聞こえたような)

 まさかと思い、進太の顔をまじまじと見つめる。冗談を言っている顔ではない。

「ねえ、森村さん。君と出会ったのは運命だと思ってたんだ」

 進太は里奈だけを見て話している。
 春彦は「外の空気を吸ってくる」と言って席を離れ、店を出てしまった。

 二人きりになったテーブルで、進太は続けた。
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