いつか記憶が戻るまで
「ニャー」


しばらく住宅街をあるいていると、私の『友達』に会った。


「おはよう、ナナ。今日も元気?」


「ニャー」


ーーーーーー三毛猫のナナ。私の数少ない、『友達』。


私はいつものように鞄からパンを取り出して、ナナにあげる。


ナナとは、一ヶ月くらい前に出会った。


野良猫であるナナは、その雨の日に、住宅街の小さな路地裏でうずくまって


いた。私はすぐに家に連れて帰り、看病したら、すぐ元気になって、私によ


くなついてくれた。それからはほぼ毎日のように会っている。
< 2 / 4 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop