放ったボールが虹を描けば



……………………ずっと、思ってた。



私は、本当に篠崎先輩のこと、好きなのかなって。 



………………本当は、ただの、


“憧れの人”なんじゃないかって。


眺めてるだけで、満足できるのかもしれないって。




でも、やっぱり違った。






_____________私、篠崎先輩が好きだ。



心が、体が、そう叫んでる。



たとえ雲の上の存在だったとしても、



手の届かない人だったとしても、


この溢れる気持ちを抑えることなんて、


できない。




もっと話したい。


もっとそばにいたい。





_____篠崎先輩の、大切な人になりたい。



後輩でもなく、友達でもなく、



_______篠崎先輩の、彼女になりたいよ。




“憧れ”なんかじゃない。


もっと、もっと強い想い。



いつか、ちゃんと伝えられますように。


見上げた空には、星がちらついていて。



三日月が、揺れたように見えた。

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