放ったボールが虹を描けば


「……もうそろそろかな。」


転がったままの目覚まし時計は、5時すぎを示している。



私は、ゆっくりと通話ボタンを押す。



プルルル………


プルルル………




「……………はい」



で、出た……!



「お、おはようございます。
紺野です」



「あー………
そっか、電話か。」



「は、はい。
時間、これくらいで大丈夫でしたか?」



「うん、ちょうどいいカンジ。」



よ、良かった………!



「じゃあ、またあとで……」



「ん、ありがと」



耳からそっと携帯を離し、通話ボタンを切る。

< 36 / 51 >

この作品をシェア

pagetop