放ったボールが虹を描けば
「……もうそろそろかな。」
転がったままの目覚まし時計は、5時すぎを示している。
私は、ゆっくりと通話ボタンを押す。
プルルル………
プルルル………
「……………はい」
で、出た……!
「お、おはようございます。
紺野です」
「あー………
そっか、電話か。」
「は、はい。
時間、これくらいで大丈夫でしたか?」
「うん、ちょうどいいカンジ。」
よ、良かった………!
「じゃあ、またあとで……」
「ん、ありがと」
耳からそっと携帯を離し、通話ボタンを切る。