放ったボールが虹を描けば
うわぁぁぁぁ
うわぁぁぁぁ!!
せ、先輩の声が、耳元でっ……!
しかも、寝起き…………!
まだ、心臓はバクバク鳴ってる。
少し眠そうな先輩の声は、私の頭の中で響く。
1人で顔が赤くなっているのが、ちょっとバカみたい。
「麻陽ー?
もう下りて来なさいよー!」
1階からお母さんの呼ぶ声が聞こえる。
「今行くー!」
そうだ、幸せに浸ってる場合じゃない。
私もちゃんと起きなきゃ!
急ぎで着替えて、学校へ行く用意を始めた。