O.N.P. 〜END for NEXTAGE〜
いや、ムダにするわけにはいかない!
私は顧問の先生の元に駆け寄り、真っ先に頭を下げた。
「本当にごめんなさい!!!みんなに遅れをとりたくなくて、つい約束破って勝手にコート使って……でも私、諦めたくないんです……みんなよりもクズでダメ人間だって分かっています。でもそれでも諦めたくなくて……」
言葉が勝手に出てくる。
言葉と共に涙も出てくる。
色々言ったが、最後なんて涙でぐじゅぐじゅになって日本語になっていなかった。
「なるほどな。お前は諦めたくないんだな?」
「はい……」
「顔上げてよ、俺の目を見て言ってみろ。」
「私は……私は諦めたくありません!!絶対強くなりたいです!ボール拾いだけでもいいです!雑用でいいので私を部活で使ってください!!」
「お、おいおい……俺は別にお前を退部させたいわけじゃないんだ。」
「え……?」
「お前の意志を確認に来たんだ。」
「私の意志……ですか……」
「まぁそれと言うのもな、お前ならきっと知ってるだろ、乃々葉の話。」
「団体メンバーに選ばれたって聞きました……」
「それなんだけどな、あいつ俺の所に来て、『実羽と組めないなら、最低限実羽と一緒に部活ができないなら団体メンバーは辞退します。私はあの子とテニスをしていきたいんです。 』って言いに来たんだよ。」
「……」
のんちゃん……
本気だったんだあれ……
「いやぁな、普通だったら俺も怒ってあいつも練習に混ぜないつもりだったんだけど、目が違うのな。ここ10年でも見ないくらい本気の目だった。それでだ、明日の練習の終わりに試合やることにした。」
「試合……ですか?」
「乃々葉とお前が組んで、相手はまぁ、そうだな……1番手だ。大口叩くくらいだから、これくらいはやってもらわないと。」
「分かりました。その試合、やらせてください!!」
「んじゃあ明日は練習に混ざれ。さすがに俺もそこまで鬼じゃない。少しは練習時間与えてやる。」
「ありがとうございます!」
この瞬間、どれだけ嬉しかったことだろう!!
計り知れない喜びと、それでいて不安もあり、色々な感情で胸がいっぱいだった。