O.N.P. 〜END for NEXTAGE〜



「大丈夫??」


「なんとかね……捻っただけ……」


「いやこれやばいでしょ……」



私は先輩にコールドスプレーを持ってきてもらった。


そしてそれをのんちゃんに渡しに……



ドサッ





そう思って動き出した瞬間、脚の力がふっと抜けて私は倒れた。



「実羽ちゃん!!」


「みぅちゃん!?」



みんなの声が遠くに聞こえる。


意識が朦朧としてるんだ……


そう言えばのどカラカラだっけ……


試合に集中し過ぎて水分補給忘れてた……


私はなんとかベンチの脇まで行き、壁にもたれ掛かる。


それを見ていた大会役員も来た。


顧問と何か話している。



まだ……


まだ試合するもん……


動けるもん……



でも飲み物まで手が届かない。


のんちゃんのタイムの時間はとっくに過ぎてるはずだから、この分は私のタイムの時間だろう。


でもその時間ももうすぐ終わるみたいで、審判も何か役員に言っている。




あぁ……私はバカなんだよな……



「バカやろう!!!この大バカ!!」



何とでも言ってよ……

私はバカ……


ん、どっかで聞いた声だ……


いつもよく聞いてた声……


その声に怒られた記憶もある。

一緒に話した記憶もある。


ふざけ合ったり笑いあったり、一緒にテレビ見て笑ったり……



ま、まさか……


なな姉!?


いや、なな姉は敵のはず。


こっちに来るわけない。



いや、でも視界にはぼんやりとなな姉の姿が……



これ走馬灯なのかな……


死ぬんか私……



「今絶対に『これ走馬灯かな 』とか思ったでしょ?wバカじゃないの?走馬灯の意味違うって。」



これで確信した。


私を最高にイライラさせてくれるこの口調……


本物のなな姉がここにいる!!





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