ポンコツ同盟
しかし、今回は違った。
いつもなにかしら突っかかってくる男子グループがニヤニヤしながら近寄ってくる。
「お前の兄ちゃん、ヤクザみたいだな?」
「…は?」
リーダー格の男がそう言い放った。
「この前見たんだけど。すっげーでかいし、すっげーおっかない顔してた。」
「え、笛木ってヤクザの弟なの?」
「怖ー。」
俺の兄貴、哲也は確かにいかつい顔をしている。でも優しくて、家族思いで、ヤクザなんて聞き捨てならない。
「何言って…」
「ほんと怖くてさ、だーれも近寄らねえの。顔面凶器かよってくらい。」
その一言に頭が真っ白になった。
「笛木!」
一番仲のいい沢村に止められて我に返ったときには、そのリーダー格の男、石田は、鼻血を流して倒れていた。
俺はそいつをボコボコに殴ったのだ。